半径40メートルのサバイバル

私的空間をつなぐ道

第一回

 ここ数年猫を飼っているのですが、猫にはテリトリーというものがあります。いわゆるナワバリです。うちの猫の場合、自宅の庭、その隣の竹藪と畑、私の事務所とその庭、そのまた隣のS藤さんちの庭、向かいの駐車場と公園(主に入口と公園内の廃屋)、裏のお稲荷さん全体、がそれ。半径40メートル程度じゃないかなぁ。

 私がここ数年、余所の猫を観察して推察するところによると、彼女(猫。メスなのです)のテリトリーは非常に狭いです。オス猫などは、恋の季節には4キロメートルほども移動するというのに、彼女は毎日、1ブロック程度の狭いテリトリーをあっち行ってニャー、こっち行ってニャーとへらへら過ごしています。けっこう楽しそうです。

 そんな彼女を横目に、引きこもりがちな猫めが、なんて思っていたのですが、ある日、気が付いてしまいました。彼女のテリトリーは、私の日常の行動半径と一致するということに。 

…つづく 

文=大林 恭子/愛知県豊橋市在中
タウン誌ライターを七年勤めた後、独立。東三河という狭い商圏の中で奇跡的に生き延びている。生き物をこよなく愛する三十代。鉄壁のインドア派。生活スタイルは猫より怠惰であろう。

本誌イラスト=井口恭子【チャイルド・ママ】


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