三遠南信の祭

神々よ、山里に新しい息吹を

 山里が秋一色に染まる頃には、山の頂きはいち早く冬枯れの装いをまとい始める。気ぜわしく冬仕度にかかる時のお告げでもある。

 山の人々は、自然のお告げに従順に従うことを掟に、それに叛けばたちまち報いがわが身にと、山の畏と尊厳に真向かってこそ悟れる山の心は、昔も今も変わらない。霜月はその年の締め括り、山の実りが結果を結ぶ節目の時に、神々を迎えて人や大地を清め直し新しい息吹をと、山里の人々は祈り心を次第に昂ぶらせて行く。

 三遠南信は霜月の祭り一色

 野山が一斉に枯れ果てる時、それは生あるもの全ての命が最も弱まる時と人々はみた。その時にこそ、神々の力を借りて命の蘇りを祈り上げようというのが霜月祭りの心。一段と冬枯れを深めるその頃、三遠南信は霜月の祭り一色に包まれる。

...つづく


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